1993 年 1993 巻 460 号 p. 151-154
一般に, 材料の力学的特性において, 弾性係数は組織中における結晶質部分と非晶質部分の比率の変化に対して鋭敏であるが, 強度はこのような変化に対して比較的鈍感である. 本文は, アルカリ骨材反応の進行は, コンクリート組織中において, 結晶質部分に対する非晶質部分の割合が増大する過程とみなし, 構造物から採取したコアの圧縮強度と弾性係数の測定結果から, その構造物においてアルカリ骨材反応による劣化が進行しているか否かを判断できることを実験ならびに構造物の調査を通じて確認したものである.