1994 年 1994 巻 491 号 p. 99-108
干拓地排水路で発生した大魚のへい死事故を調査し, 生態系モデリングツールSSEMを用いて原因を解析した. 調査の結果, 水門工事に伴う淡水化, 貧酸素化に加え, 農薬が原因である可能性も示唆された. これらの影響を定量化するため、ボラを用いた生物実験を行った. 得られた知見に基づいてSSEMを拡張し, へい死事故のシミュレーションを行うことにより, 事故の原因が水量減少, 淡水化および農薬散布である可能性が極めて高いことを示し, 事故を起こさない農薬散布量を提示した.