抄録
高レベル放射性廃棄物の地下貯蔵や地熱発電などの地下水の流れに関する解析では, 地盤変形-浸透流-熱移動の連成解析が必要である. 著者らは, 大西らの研究を基礎に Sandhu1-1 型 (標準の4節点要素) に低減積分を適用しこの欠点である間隙水圧の振動現象を少なくし数値の安定性を向上させ, 比較的粗い時間刻みでも理論解に収束することを確認した. また, 岩盤内の節理群に対し, 開口・閉合と透水性との非線形関係を容易に表現できるコンプライアンスを導入した. 複数の節理群が存在するモデルに適用し, 本提案が有効であることを確認した.