1995 年 1995 巻 519 号 p. 67-78
本論文では, 等曲げを受ける弾性矩形板に生じる多段階の分岐や飛び移り等の複雑な不安定現象に着目した後座屈解析を行ない, 二次座屈現象を体系的に記述する. 剛性方程式の接線係数行列の行列式に基づいた分岐点や分岐径路の分類, あるいは群論的表現に基づいてブロック対角化された接線剛性行列の小行列を用いた分類を示す. さらに漸近則やモンテカルロシミュレーションにより, 初期不整が板のたわみに及ぼす影響を定量的に評価する. この結果, 非常に複雑な後座屈挙動の仕組みを解明すると共に, これらが必然の積み重ねから成り立っていることを明らかにし, 数値的にも示すことができた.