抄録
大規模都市ガス供給網の地震時の二次災害防止のためには, 甚大な被害が予想される場合, 中圧導管網のブロック化と供給停止が必要となる. この緊急措置を迅速に行うため, 東京首都圏において, 地震動モニタリングシステムの展開と, それからの地震動情報に基づく警報システムの開発を行った. 331地点でのSI値と最大加速度, 5地点での加速度波形, さらに液状化の予想される20地点での水位上昇量を観測し, 無線でデータ収集するシステムは, 世界でも例のない大規模で高密度なものである. これらの情報をリアルタイムに処理するため, 地理情報システム上に, 地盤条件, 埋設管, 需要家建物等のデータベースを構築し, 被害推定, 震源推定, スペクトル評価, 意志決定の4つの機能を持つシステムを開発した.