1995 年 1995 巻 525 号 p. 83-95
既設鉄筋コンクリート橋脚の主鉄筋段落し部における耐震性を適切に評価するために, 主鉄筋の段落し位置を変化させた模型供試体の正負交番載荷実験を行い, 段落しを有する鉄筋コンクリート橋脚の破壊特性等について検討した. 実験結果を基に, 段落し部での損傷の可能性と, 設計地震力を超える地震力が作用した場合に段落し部に生じる損傷度を, 新たに定義した損傷形態判別係数と降伏曲げに対する安全率で評価する簡便な耐震判定法を提案した. さらに, 本判定法を適用すれば, 段落し部で耐震性に劣る鉄筋コンクリート橋脚を精度よく抽出できることを, 最近の地震による被害橋脚の解析結果から明らかにした.