土木学会論文集
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風の抵抗の低減を考慮した防音壁の基礎的研究
渡辺 義則吉田 勇久保 喜延加藤 九州男
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1996 年 1996 巻 530 号 p. 117-122

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抄録

防音壁の構造はこれまで主に減音効果を高めることに着目して研究されていて, 風の抵抗を低減するという観点に乏しい. 橋梁部に設置された防音壁に作用する風の抵抗を低減することは, 橋梁設計上重要な課題であると同時に, 建設費の減少にもつながる. 本研究で着目したのは, 堀割構造の道路の開口部に採光及び換気のために設けられるルーバーである. 吸音材料を張り付けたダブルルーバーを道路の開口部に装着すれば, 斜め上方に伝播する騒音を減少できることは既に報告されている. このことは所期の目的を持つ防音壁の開発に重要なヒントを提供するが, 防音壁にしては寸法が大き過ぎる. それゆえ本研究では寸法を既存の防音壁に近づけるとともに, 様々に部材間隔 (隙間) を変えた実験を行い, 減音効果の維持と風の抵抗の低減という相反する現象が折り合える障壁を追求した.

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