抄録
地震荷重を受けた鉄筋コンクリート橋脚の損傷程度を, 履歴吸収エネルギーを用いて評価するための研究の第1段階として, 構造物が破壊するまでに吸収できるエネルギー量 (エネルギー吸収容量) の定式化を試みた. 正負交番水平載荷により基部で曲げ破壊した鉄筋コンクリート橋脚模型のエネルギー吸収容量を求め, 載荷繰り返し回数, せん断支間比, 帯鉄筋比および軸応力度の4つの要因がエネルギー吸収容量に及ぼす影響を明らかにし, これらの影響を考慮したエネルギー吸収容量算定式を提案した. その結果, 検討に用いた供試体のエネルギー吸収容量に関しては, ある程度の精度で推定することが可能となった.