1996 年 1996 巻 539 号 p. 89-98
複断面開水路流れにおいて, 流速の大きい低水路内の流体と流速の小さい高水敷上の流体との境界部にせん断層が形成され, 斜昇流に代表される組織構造が間欠的に発生する. 本研究はこの組織構造の特性を調べるために, 近年の画像解析手法の急激な進展の中で生まれたPTV法を用いて2次元内の多点同時ベクトルを求め, それを基に時空間相関解析や条件付きサンプリング手法によって複断面開水路内の時空間的な現象の解明を行ったものである. その際に, PTV法の精度を検証するために, 同一水理条件の下での高精度なファイバーレーザ流速計 (FLDA) による計測との比較を行った.