抄録
1982年に Ubilci (ユーゴスラビア) で発生した地滑りは人為的にアンダーカットの施された粘土質の傾斜地の内部にレンズ状の砂層が存在したことにより誘発された. この地滑りの発生過程とそれに伴う大規模な物質移動を拡張された個別要素法 (EDEM) を用いて解析した. その際乾季と雨季とで変化する粘土の粘着力が地滑りの規模にどのように反映するかを調べるために2種類の粘着力値を仮定した.
数値計算の結果は Ubilci で生じた地滑りの実際の地滑り面や地滑り後の傾斜地の形状をよく再現できることが確かめられた.