1996 年 1996 巻 542 号 p. 1-7
JERS-1/OPSの立体視の機能からDTM (Digital Terrain Model) を作成するプロセスについて研究した. まず, 従来の観測衛星システムとの比較からJERS-1/OPSの立体視機能の特徴を検討し, 水平位置観測精度を推定した. 研究対象画像には, 基準点で0.27画素程度の誤差が残存した. これは, 高さ方向に換算して, 約20mの誤差に相当する. 次に, 自動立体視の実験を行った結果, ノイズと測定精度との間にトレードオフの関係があることが判った. ウインドウサイズは, 7×7画素程度が適当であると判断した. OPSからDTMを自動作成し, 立体視画像を生成表示することができた. 自動作成されるDTMを国土地理院DTMに対して評価したところ, 作成精度は, 標準偏差で約30m程度に収まることが判った.