抄録
本研究は, 斜張橋の長支間化と共にますます重要視されるであろうケーブルの空力振動現象に関して, 特に雨を伴う強風時に観測されている「レインバイブレーション」などの振動現象について, その振動特性及び振動発生機構の解明, さらにそれらに基づいた有効な制振対策を施したケーブルの提案などを目標として, 風洞実験を行い考察したものである. ケーブル周りの流れ場は非常に3次元性が強く, 従来より指摘されているレインバイブレーションの振動発生要因である「軸方向流」や「水路形成」に加え, この3次元性に注目することが制振を考える上で重要である. そこで本研究ではケーブルの空力振動現象の有効な制振対策として楕円板つきケーブルを提案し, その有効性を考察するものである.