土木学会論文集
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1996 巻, 543 号
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  • 人工生命技術の応用
    構造工学委員会AL (人工生命) 技術の構造システム
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 1-18
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • ワイルド クリストフ, 藤野 陽三, 増川 淳二
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 19-30
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    一様気流中におかれた橋梁断面に作用する動的空気力は桁の状態量 (速度, 変位) で表すことが多い. そのために動的空気力係数は風速, 振動数の関数となり, 周波数領域の解析を強いられる欠点がある. 本研究では, 拡張変数を導入して定数系の微分方提式で空気力を表す有理関数近似法の橋梁断面への適用を検討している. (1) 最小二乗法と最小状態量法を適用し. 後者の方が拡張変数の数が少なくてすむこと, (2) 翼形断面の場合は, 拡張変数が1つ, 偏平箱桁では2つ, トラス断面では3つ程度導入すれば精度よく動的空気力を表現でき, フラッター限界風速も精度よく予測できることを明らかにしている.
  • 織田 博孝, 長谷川 雄一, 宇佐美 勉
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 31-40
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    この研究では, Q-factor 法に基づく, 柱の全体座屈と局部座屈の連成座屈強度公式を実験データにより再検証する. このために, まずQ-factor 法で用いる柱強度式と板要素の強度式を, 初期不整 (初期たわみと残留応力) の関数として表す. 次に, 他の研究で示された実験強度を, 個々の試験体の初期不整を考慮して推定し, Q-factor 法の精度を精密に調べる. この結果, およそ10%の誤差で実験強度を推定することができ, 高い精度を有することが明らかになった.
  • 後藤 芳顯, 鳥羽 保行, 小野 聖久, 小畑 誠
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 41-53
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    繰り返し荷重下の円筒殼の軸対称座屈モードの局所化現象による劣化挙動を理論的に検討した. まず, 2軸応力下の厳密な塑性分岐解析による局所化挙動の解析手法を提示した. つぎに, この手法を用い, 両端固定の円筒殻の局所化挙動を解析し, 繰り返し荷重下の最大耐力低下に対する構造パラメータ, 構成則の影響を検討した. この結果, 径厚比R/t, ならびに円筒殼の長さの半径に対する比L/Rが大きいほど局所化現象が生じやすく, 最大耐力の低下も大きいこと, また, 載荷サイクルの増加とともに構成則の差が耐力の劣化傾向, 変形モードにおいて顕著に現れることが明らかになった.
  • 後藤 芳顯, 王 慶雲, 小畑 誠
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 55-70
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    薄板構造の耐震性を損なう圧縮板の座屈モードの局所化現象を厳密に解析しうる塑性分岐解法を提示した. この手法を用い, 局所化した初期たわみが, 座屈モードの局所化現象に与える影響を調べた. この結果をもとに, Tvergaard と Needleman や著者らに用いられた局所化した初期たわみを与え, 塑性分岐解析によらず局所化挙動を近似的に解析する手法の妥当性を検討した. さらに, 材料構成則, 初期たわみの影響についても論じた.
  • 石川 清志, 依田 照彦, 平嶋 政治
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 71-81
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文では弾性基礎上に横たわる無限厚板の過渡波動伝播現象を解析する一手法を Fourier 変換と固有関数を用いて提案している. 基礎かちの反力は基礎に接する厚板底面の変位に比例するという Winkler の仮定を用いた. 静止している厚板の表面に集中荷重が衝撃的に負荷され, 直ちに定速度で移動する問題を取り上げ, 載荷点かち少し離れた厚板内のある一空間点に注目し, 静止から最初の波面到達によって引き起こされる初期の擾乱, ならびに後続到達する波動の伝播速度, 伝播経路等の違いによって誘起される擾乱を境界での反射現象と関連づけて明らかにした.
  • 阿部 和久
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 83-90
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    個別要素のバネ定数と要素集合体の巨視的弾性定数との関係を理論的に導いた. 個別要素には円形要素を考え, 各接触点の半径方向と接線方向にバネを挿入したモデルを対象とした. 理論的関係式は, 弾性域を対象に滑らかな巨視的変位を仮定し, 要素における力とモーメントのつり合い式に対して, 要素集合体の変位場の Taylor 展開を導入し, 巨視的連続体のつり合い方程式を誘導することにより求めた. 理論的考察を通し, ポアソン比が1/4以下の等方弾性体が個別要素法によって近似可能であることがわかった. 一方, ポアソン比が1/4を越える弾性体に対しては, 接線方向のバネ定数の値を負にとる必要があるため, 安定な個別要素解析が不可能となる. 簡単な解析例を通し, ここに誘導したバネ定数と巨視的材料定数との関係式の妥当性を確認することができた.
  • 鈴木 真次, 香月 智, 石川 信隆, 石川 芳治, 古川 浩平
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 91-105
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 巨礫や落石によるコンクリート構造物への衝突局部現象を解明するため, まず新しく考案した振り子式衝突局部実験装置を用いて, コンクリート供試体に対して衝突局部実験を行い, 衝突局部での損失エネルギーを測定した. 次に, 衝突局部におけるモデル化として局部ばねとダッシュポットおよびダミー質量を含めた3種類のレオロジーモデルを提案し, 衝突局部実験の結果と比較検討を行うとともに, さらに, 本解析モデルを用いてコンクリート製砂防ダム袖部への衝撃模型実験をシミュレートしたものである.
  • 渡邊 英一, 山口 隆司, 杉浦 邦征, 葛西 俊一郎
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 107-121
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高力ボルト引張接合は優れた力学的特性と施工性を有し, 各種構造物の接合部への適用が期待される. また, 現在では耐震対策の一つとして継手部が注目されており, 継手部の離間挙動の検討も重要となってきている. しかし, 確立された設計基準などが存在せず, 橋梁等の主部材の接合形式として採用されることはない. したがって, 本研究では, 高力ボルト引張接合の最も基本的な形式である高力ボルトフランジ継手 (スプリットティー継手) を対象に, 載荷実験および3次元有限要素解析を行い, 接合部挙動を詳細に検討した. さらに, スプリットティー継手と類似の形式である片締め継手に対し載荷実験および同様の解析を行い, 力学的挙動を検討するとともに片締め継手に対する解析の適用性を検討した.
  • 森 猛
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 123-132
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    疲労損傷の補修方法の一つに疲労亀裂の先端に円孔をあけ, それをボルト締めする方法がある. ここでは, この方法で補修した疲労損傷部材の疲労強度評価を行なう際の鍵になると考えられるボルト締めによる円孔壁での応力集中の緩和に注目し, 中央にボルト締めした円孔を有する矩形鋼板の応力測定試験および三次元有限要素応力解析を行なうことにより, 応力集中緩和に対する母板の厚さ, 円孔径, ボルト軸力の影響について検討している. さらに, 応力測定試験結果と応力解析結果から求めた応力集中の緩和を利用した疲労強度評価方法を示すとともに, その評価方法の妥当性を既往の疲労試験結果と比較することにより確かめている.
  • 舘石 和雄, 慶 甲秀, 町田 文孝, 三木 千寿
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 133-140
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    高張力鋼すみ肉溶接継手部の疲労強度の向上を目的として, 溶接材料の工夫や溶接後処理を施した試験体を製作し, 疲労試験を行った. その結果, 本溶接後に少ない入熱量で付加溶接を行う, いわゆる化粧溶接を行った場合には, TIG処理と同等の高い疲労強度向上効果が得られること, 軟質溶接, 止端改良溶接棒の適用では疲労強度の向上効果はないことが明らかとなった. これらの原因について, 溶接止端形状, 残留応力から考察を加えた.
  • 市川 篤司, 穴見 源八, 松浦 章夫, 辺見 茂
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 141-152
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    超電導磁気浮上式鉄道の構造物に用いる鋼材には, 超電導磁石を搭載した車両が通過する時, 移動する磁界によって鋼材内部に電流が誘起され, 磁気抗力と言われる走行抵抗やエネルギー損失が発生する. そのため, 磁気抗力をある限度内に抑えることが要求されている. 本研究では, 磁気抗力を定量的に評価しその低減対策を確立する目的で, 実験的および解析的な検討を行った. その結果, 有限要素法を利用して低磁性鋼の磁気抗力を近似的に解析する手法を示した. また, 実験および解析により鋼材の磁気抗力の特性について検討し, 設計上考慮すべき低減対策を示した.
  • 松本 勝, 青木 淳, 藤井 大三, 北山 暢彦, 大東 義志
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 153-162
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 斜張橋の長支間化と共にますます重要視されるであろうケーブルの空力振動現象に関して, 特に雨を伴う強風時に観測されている「レインバイブレーション」などの振動現象について, その振動特性及び振動発生機構の解明, さらにそれらに基づいた有効な制振対策を施したケーブルの提案などを目標として, 風洞実験を行い考察したものである. ケーブル周りの流れ場は非常に3次元性が強く, 従来より指摘されているレインバイブレーションの振動発生要因である「軸方向流」や「水路形成」に加え, この3次元性に注目することが制振を考える上で重要である. そこで本研究ではケーブルの空力振動現象の有効な制振対策として楕円板つきケーブルを提案し, その有効性を考察するものである.
  • 勝地 弘, 多田 和夫, 北川 信
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 163-173
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    長大橋の耐風設計においては, 自然風特性をモデル化したうえで, 対象構造物に作用させた場合に予想される応答現象を風洞試験, あるいは数値解析によって評価するが, 完成後の実橋においてこれらの結果を確認した例は少ない. 本研究では, 長大橋の耐風設計法を取り上げ, 本州四国連絡橋の大鳴門橋, 南備讃瀬戸大橋での強風時の動態観測データを基に, その妥当性について考察を加えた. その結果, 自然風の空間相関特性を指数関数によって定式化する現行の設計法に改良の余地が認められるとともに, 構造系に対する風荷重低減の可能性が示唆される結果などを得た.
  • 松本 泰尚, 藤野 陽三, 木村 吉郎
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 175-186
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ガスト応答解析の時間領域における定式化の一例として, 状態方程式表示を用いた方法について検討を加えた. すなわち, 変動風速・空力アドミッタンス・構造物のそれぞれを仮想的なフィルターとして捉え, それらを用いてガスト応答を一つの状態方程式を用いて表現し, また, 従来の周波数領域での解析においては扱うことが難しかった非定常空気力を, 振動数に依存しない有限次数近似モデルを構築することにより, 解析に導入することを試みた. その結果, 本手法によれば, 従来の解析法では扱いにくかった連成空気力や振動モード間の相関などを, システマティックに考慮できることがわかった.
  • 南條 正洋, 山村 信道, 小笠原 正治, 白石 成人
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 187-194
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    渦励振力と自励空気力を含む動的空気力係数と渦励振による応答の定常性を表す非線型応答係数を用いた非線型モデルに基づいて, 立体骨組系の渦励振に対する応答解式を示した. この解式では, 自励空気力による有風時の振動数の変化・空力減衰項, モード形状の影響, および, 渦励振力の部材軸に沿う相関性などを考慮した. 動的空気力係数・非線型応答係数は, 2次元 (バネ支持・剛体) 模型のV-A曲線 (一様流・乱流) から同定される. 斜張橋の3次元模型実験との対比では, 2次元模型の振幅をスクルートン数比で補正する方法より, 本報告の解式による応答振幅が良く整合することを確認した.
  • 北川 徹哉, 若原 敏裕, 藤野 陽三, 木村 吉郎
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 195-207
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    円形断面を有する塔状構造物においては, 通常の渦励振共振風速よりも高風速域で渦励振と類似した応答が現れるとの報告があるが, その発生メカニズムは解明されていない. 本研究では円柱塔状1自由度ロッキング模型を用いた風洞実験を行い, 一様流中においてその現象を確認した. それを「高風速渦励振」と呼び, 気流や構造減衰を変化させて特性を調べた. 応答測定と後流変動風速の多点測定結果から高風速渦励振の発現特性を検討した結果, 自由端部付近に現れる渦が高風速渦励振を励起することが判明した. また, 後流変動風速の時系列にウェーブレット変換を適用した結果, 高風速渦励振の応答振幅に弱い変動があるのは, 励振源となっている自由端付近に現れる渦の発生がやや間欠的なためであることがわかった.
  • 山田 均, 宮田 利雄
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 209-216
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    従来規模を越える超長大吊り形式橋梁の耐風設計には, 複雑な運動状況を反映する非定常空気力の組み込みが必須になっている. ところが, 従来の非定常空気力の測定法では, 多自由度運動への対応は, 手法の拡張も含めて必ずしも容易ではなく, 新たな手法開発が新プロジェクト実現, 合理化の一つの鍵ともいえる. 本研究では, 新規の開発したモード情報を用いた非定常空気力測定方法により, 三自由度運動に手法を拡張し, 風洞による実験に適用した. その結果, 迎角, 実験条件を問わず非定常空気力係数抽出の信頼性, 安定性はよいことを示すことができ, 提案する手法の有効性を示した.
  • 山口 宏樹, 高野 晴夫, 小笠原 政文, 下里 哲弘, 加藤 真志, 加藤 久人
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 217-227
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    実橋を加振する大規模振動実験結果において, 振動数や振動モードについては, 設計時に仮定した設計諸元の妥当性が検証されている. しかし, 設計で重要性の高い減衰は実験値がまちまちで一般化すること力灘しい. 桁, 塔, ケーブルのエネルギーを定量化し, ロスファクターを定めることによって, 全橋としての減衰を評価する山口らの手法に, 空力減衰, 支承摩擦, ケーブル制振装置からの散逸エネルギーを加え, より一般的な減衰評価法を示すとともに, それを鶴見つばさ橋の現場加振実験で得られた減衰に適用した. その結果, 支承摩擦, 空力減衰, ケーブル制振装置が全橋の減衰に及ぼす影響が非常に大きいこと, 鶴見つばさ橋の減衰特性の特殊性が, エネルギー評価によって説明可能であること等が明らかとなり, 斜張橋減衰のエネルギー的評価法の妥当性がある程度示された.
  • 藤澤 伸光
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 229-237
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ジャイロモーメントを利用した制振装置による1自由度フラッターの制御について検討した. ルースの安定判別式を利用して系の安定性を調べ, 制振装置の最適パラメータを導いた. また, TMDの動作と比較検討し, ジャイロ効果によって相対的に小さな付加質量で大きな制振効果が得られることなどを明らかにした. さらに実際の設計において重要となる制振装置の応答振幅や振動数など. ジャイロダンパーを設けた系全体の応答挙動をも明らかにした.
  • 星埜 正明
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 239-246
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 最近海外で建設例の増加している2主桁合成構造斜張橋のクリープ解析とねじり振動解析について述べたものである. この形式の斜張橋では, 桁はコンクリート床版と鋼桁から成る合成桁構造となるため, コンクリート床版のクリープにより応力の移行が生じる. 設計上この応力の移行を的確に評価することは重要であり, 本論文ではその解析方法について詳しい検討を行っている.
    一方, 桁はΠ形をした開断面をしているため, ねじり剛性は箱断面に比べ著しく小さい. そのため, ねじり振動の固有振動数が低く, 特に耐風性との関連で設計上的確にねじり振動解析を行うことは重要である. 本論文では, 開断面桁の特性を十分考慮したねじり振動解析方法についても検討を行っている.
  • 山口 宏樹, 高野 晴夫, 小笠原 政文, 下里 哲弘, 加藤 真志, 岡田 淳
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 247-258
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    一面吊りとしては世界最長の斜張橋である鶴見つばさ橋の振動実験が行われた. 本研究では, 固有振動数, 固有振動モード, モード減衰等の動的特性に着目し, 実験結果からの同定手法とその妥当性について検討を行った. 常時微動実験からは, 同定される振動モードの有効性, 振動数評価における境界条件の影響, 減衰評価における振幅域の重要性について考察した. 定常加振実験結果からは, モード円適合法により自由減衰実験で見られる減衰の振幅非線形性をある程度は考慮できること等を示した. また, 鶴見つばさ橋の動的特性を同規模スパンの他の斜張橋と比較して, 低振動数, 高減衰の傾向が認められることを示し, その要因について考察を加えた.
  • 崔 宰栄, 川島 一彦
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 259-269
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 都市防災や道路計画に資するために震災地域における交通需要の変動メカニズムを究明することを目的としたものである. このために, 平成5年7月の北海道南西沖地震を対象として檜山支庁管内の住民と運輸会社を対象にして, アンケート調査によりパーソントリップと車両の運行特性を調査した. この結果, 地震発生当日には, 平常時の1日トリップ数の45.5%に相当する避難トリップが1時間の間に集中し, そのうち56%が乗用車によつて避難しており, 地震後, 登校・出勤目的のトリップは減少し, 業務・買い物目的のトリップは増加していることがわかった. 地震後の交通需要の変動要因としては, 職業と年令が大きな影響を及ぼし, 特に, 販売・運輸・学生・教育・無職の職業と20代・30代の年令層において交通需要変動幅が大きいことがわかった.
  • 吉田 郁政, 豊田 耕一, 星谷 勝
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 271-280
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    逆解析を考える上で, 未知量の共分散行列は大変重要な役割を担っている. 本研究ではその共分散行列に注目した2つのテーマについて論じる. 複数の施工あるいは観測ステップからなる問題を考える場合, あるステップにおける逆解析の結果は次のステップの事前情報として引き継ぐことにより, 複数ステップの観測情報から総合的に未知パラメタを推定することができる. 一つ目のテーマとして, こうした時間更新を考慮した逆解析の方法を示し, 時間更新に際して付加されるプロセスノイズの役割について検討を行った. また, 2つ目のテーマとして未知量や応答値の共分散行列を基にした観測点配置の評価指数の提案を行い, 数値計算例を示した.
  • 杉本 博之, 近田 康夫
    1996 年 1996 巻 543 号 p. 281-283
    発行日: 1996/07/21
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
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