抄録
ガスト応答解析の時間領域における定式化の一例として, 状態方程式表示を用いた方法について検討を加えた. すなわち, 変動風速・空力アドミッタンス・構造物のそれぞれを仮想的なフィルターとして捉え, それらを用いてガスト応答を一つの状態方程式を用いて表現し, また, 従来の周波数領域での解析においては扱うことが難しかった非定常空気力を, 振動数に依存しない有限次数近似モデルを構築することにより, 解析に導入することを試みた. その結果, 本手法によれば, 従来の解析法では扱いにくかった連成空気力や振動モード間の相関などを, システマティックに考慮できることがわかった.