1996 年 1996 巻 552 号 p. 101-108
本論文は, 都市ごみのメタン発酵に及ぼす有機物の種類とその含水率の影響を解明することを目的として, 肉, キャベツ, 下水汚泥脱水ケーキ, ニンジン, ライスおよびジャガイモの6種類の物質を選択し, それぞれの含水率を変化させてメタン発酵の回分実験を行い, 解析を加えたものである. モデル実験装置としてのバイアルびんは41℃で培養した. 回分培養における累積メタンガス生成曲線を表す数学モデルを開発した. 同モデルを用いることで, 各実験条件における累積メタンガス生成曲線をよく表現でき, またそれぞれの条件における最大メタン生成量, 誘導期及び最大メタン生成速度の三つのパラメーターをに求めることができた. これらの動力学パラメーターに対する有機物の種類とその含水率の影響について考察した.