土木学会論文集
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1996 巻, 552 号
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  • 丹保 憲仁
    1996 年1996 巻552 号 p. 1-10
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 一ノ瀬 俊明, 川原 博満, 花木 啓祐, 松尾 友矩
    1996 年1996 巻552 号 p. 11-21
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    代表的な未利用エネルギーである下水から得られる温熱エネルギーを都市内で有効に再利用するための地域熱供給施設の立地について, 熱需要と熱供給事業における排熱利用との空間的整合性に対する解析を行うためのGISを開発した. また, それを用いて東京23区をフィールドとした配置案の検討を試みた. 具体的には, 下水熱回収地点周辺1,250m四方を供給対象領域とした場合に温水供給を通じて賄うことが可能な熱量が最大となるようなケースを求めた. 利用可能熱量の多い落合, 三河島処理区では幹線が長く回収候補地点が多い. また温熱需要の大きな地点が多いため, ヒートポンプ1基当たりの利用可能熱量も多い. 地域熱供給施設適地選定システムとしてGISを利用する手法は有益であると思われる.
  • 沈 建権, 李 玉友, 野池 達也
    1996 年1996 巻552 号 p. 23-31
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 嫌気性細菌による糖類排水の水素発酵特性に及ぼす基質の種類と水理学的滞留時間 (HRT) の影響を解明することを目的として, グルコース, ラクトース, ショ糖及びデンブンをそれぞれ基質とし, HRTを変化させた連続実験を行い, 動力学的解析を加えたものである. 各種糖類排水に対して水素発酵のための最適HRTはそれぞれ6.0~8.0時間の範囲にあった. この条件においてグルコース, ラクトース, ショ糖及びデンブンからの水素収率はそれぞれ9.33mmol-H2/g-glucose, 11.01mmol-H2/g-lactose, 9.29mmol-H2/g-sucrose および10.03mmol-H2/g-starch であって, COD除去率はそれぞれ30~40%程度であった. バイオガス中の水素含有率は40%程度に達していた. 水素発酵反応の化学量論式および動力学定数も決定された.
  • 水野 修, 李 玉友, 野池 達也
    1996 年1996 巻552 号 p. 33-41
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 酸生成相における硫酸塩還元およびスクロースの分解特性に及ぼす基質COD/S比およびHRTの影響を, ケモスタット型反応槽の連続実験によって検討した. 硫酸塩還元反応はHRT2hでも進行し, HRT6-10hでは高い硫酸塩除去率が得られた. 基質COD/S比が低く硫酸塩還元反応が進行した状態において, 遊離硫化水素による阻害は起こらないが, 代謝産物 (揮発性脂肪酸, 乳酸, エタノール, 水素) の生成割合が大きく影響されることが示された.
  • 木村 克輝, 渡辺 義公, 大熊 那夫紀
    1996 年1996 巻552 号 p. 43-52
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 分離膜表面に生物膜を付着させて低濃度アンモニア性窒素の硝化を行った. その結果, 従来の生物膜処理に比べて効率的な処理が行われることを確認した. その理由は生物膜への物質移動を膜ろ過に伴う移流によって増加させたこと, 拡散層の厚さを減少させたこと, 処理水を生物膜基底部から得たことによる. 微生物活動に伴う代謝産物が主な膜閉塞の原因と考えられるが, 保持生物量の適正化によって1000時間程度の膜ろ過継続が可能であった.
  • 鵜野 伊津志, 若松 伸司
    1996 年1996 巻552 号 p. 53-63
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    メソスケール気象モデルとラグランジェ型粒子モデルを用いて桜島からの火山プリュームの輸送・拡散過程を解析した. 気象モデルにはナッジングによる4次元データ同化手法を利用し, 1987年5月7日から10日までの気流をシミュレートし, 火山プリュームの3次元的な輸送・拡散過程が捕えられた. 火山ガスプリュームは高度500~2000m付近を輸送され, 長崎県北部 (風下移流距離200km) で水平方向に50kmの広がりを取っていた. 上空を輸送される火山プリュームの地上への輸送には, 大気境界層の発達によるエントレイメントが重要な役割を示した. モデルの結果は同期間に行われた航空機観測結果と長崎県下の地上測定局のSO2濃度の時間空間変化をよく説明できた.
  • 尾崎 博明, 金 時浚, 寺島 泰
    1996 年1996 巻552 号 p. 65-74
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    活性汚泥反応槽にセラミック膜を浸漬し吸引ろ過する浸漬型膜分離活性汚泥法により, 易分解性有機性模擬廃水と難分解性物質を多く含む焼却灰模擬浸出液の処理について検討した. また同浸出液については, 膜分離活性汚泥法による処理水を低圧逆浸透法によりさらに処理し, 難分解性物質や無機塩類の除去について検討を加えた. その結果, 浸漬型膜分離活性汚泥法では, ばっ気時における間欠吸引ろ過と膜洗浄を行うことにより長期間の運転が可能であるとともに, 間欠ばっ気により有機物および窒素の同時除去が可能であった. また低圧逆浸透法を併用すると, 難分解性物質が除去できるとともに無機塩類もある程度除去でき, 低圧逆浸透法は従来の浸出水処理における従来処理法の代替法となる可能性がある.
  • LCE及びLC-CO2による評価
    井村 秀文, 銭谷 賢治, 中嶋 芳紀, 森下 兼年, 池田 秀昭
    1996 年1996 巻552 号 p. 75-84
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都市の下水道システムについて, そのライフサイクルにわたって発生する環境負荷の定量的評価 (ライフサイクルアセスメント) を実行した. 具体的には, 福岡市の下水道システムをケーススタディ対象に選び, エネルギー消費量と二酸化炭素 (CO2) 排出量を環境負荷の評価項目とした. 施設としては, 管渠, 処理場, ポンプ場を対象範囲とし, それぞれの建設と運用から発生する環境負荷を評価した. 機械設備等については産業連関分析による原単位を利用し, 施設の運転については実績データを用いた. 消化ガスの回収エネルギーはマイナスとして換算した. LCEは, 建設による分が55.5%, 運転による分が44.5%, LC-CO2については, 建設による分が56.4%, 運転による分が43.6%と算定された.
  • 田中 信寿, 金 英圭, 松藤 敏彦
    1996 年1996 巻552 号 p. 85-93
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    わが国で主流となっている準好気性埋立地の浸出水集排水管周りの砕石層における有機汚濁浄化能を計算的に評価した. その結果, TOCの浄化は数千mg/Lであること, アンモニアの酸化はTOC酸化の1/15程度と小さいが, 脱窒反応も進行することを明らかにした. したがって準好気性埋立構造の特徴となっている浸出水の早期安定化, 特にTOCの顕著な減少が, 砕石層中の微好気性ゾーンでのTOC汚濁浄化能によっていることを明確にした. さらに, 有機汚濁浄化能を発揮するためには, 有孔集排水管の開孔率が25%程度あることが望ましく, 管周りの砕石層の深さは1m程度必要であること, 及び枝管の配置間隔を20m, TOC浄化目標を1000mg/Lとしたとき, 管径は1m (格子状配置) -2m (魚骨状配置) となることを明らかにした.
  • 長谷部 正基, 井上 泰宏
    1996 年1996 巻552 号 p. 95-100
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都心部における環境の快適性に関係する環境要因について, 特に道路交通に関わる要因に注目しながら調査, 検討を行った. 都心部を通行している歩行者に直接依頼してアンケート調査を行い, その歩行者自身が実際に住んでいる居住地域の環境との対比として, 都心部の環境が快適性の観点からどのように捉えられているのかを調べた. その結果, 都心部では盛り場としての特徴, 居住地域では“自然”の重要さが評価されていることがわかった.
  • 頼 俊吉, 李 玉友, 野池 達也
    1996 年1996 巻552 号 p. 101-108
    発行日: 1996/11/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本論文は, 都市ごみのメタン発酵に及ぼす有機物の種類とその含水率の影響を解明することを目的として, 肉, キャベツ, 下水汚泥脱水ケーキ, ニンジン, ライスおよびジャガイモの6種類の物質を選択し, それぞれの含水率を変化させてメタン発酵の回分実験を行い, 解析を加えたものである. モデル実験装置としてのバイアルびんは41℃で培養した. 回分培養における累積メタンガス生成曲線を表す数学モデルを開発した. 同モデルを用いることで, 各実験条件における累積メタンガス生成曲線をよく表現でき, またそれぞれの条件における最大メタン生成量, 誘導期及び最大メタン生成速度の三つのパラメーターをに求めることができた. これらの動力学パラメーターに対する有機物の種類とその含水率の影響について考察した.
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