抄録
免震による慣性力低減の効果を期待する設計においては, 使用限界状態設計法に用いられる中小規模の地震動に対してだけでなく, 終局限界状態設計法に用いられる大規模な地震動に対しても有効に働くことが要求される. 本論文では, 大きさと振動特性の異なる両地震動に対して同等に有効な免震特性値を探索するための実用的な計算方法, および最適値を探索する手法を提案する. さらに, 一般的な橋梁下部構造が有する特性を, 非免震時固有周期など4種類の指標値で表現し, 地盤種毎に規定された入力地震動と指標値を組み合わせた9ケースについて最適値を探索した. 免震装置としては, 鉛プラグ入り積層ゴム支承を用いるものとした. その結果, 実務設計において特性値を選定する際に有用となる資料が得られた.