抄録
ウレタン注入式フォアポーリングにおけるウレタン材の注入形態を把握すべく, 3種類の模擬地山を対象にした室内実験および現場実験を実施し, 以下の知見を得た. (1) 含水比が小さい山土やマサを対象にした注入では, 固結体は塊状になるが, 湿潤状態では葉片状になる. (2) 山土やマサを対象にした注入で, 球状ないし円筒状の固結体であっても内部構造は“割裂・浸透注入”の注入形態となる. (3) 間隙径の大きい礫の場合には“浸透注入”となると思われる. (4) 山土やマサでは, 注入量の3.5~6倍程度の改良体積となるが, 礫では6.5~10倍程度となる. (5) 地中の注入材の換算発泡倍率は山土やマサでは2~4倍, 礫では2~7倍と大きくなる.