抄録
土の力学的性質は重量割合だけでなく, 個数割合による粒度分布に影響されるという認識のもとに, 粒度分布の対数正規分布性を仮定して, 両者の関係式を導いた. これに基づいて,「個数による粒度分布」視点から新しい間隙指標として, 間隙径深と間隙水膜厚さを提案し, それらの物理的意味や Hazen の有効径との関係を調べた. それらの指標を用いた飽和透水係数の表現を試み, Hazen 式や Creager 式との精度的比較, 不飽和透水係数への拡張を調べた. 粘性土の透水係数の推定にもこの方法を適用し, 傾向的には良い精度で推定できることを示した. これらの基礎的研究を介して地層の透水性を表現する管理図を示した.