1997 年 1997 巻 569 号 p. 85-94
本研究は, 交通制御支援システムの一部として, 混雑した道路ネットワークにおける将来の交通流状況を適確に予測しうる動的トラフィック・シミュレーション手法を提示するものである. 交通流モデルとして連続流体モデルを用いており, 交通流中の衝撃波を考慮することにより, 渋滞の形成や, 延伸・減衰を適確に表現することを可能とした. 実用性の観点から, モデルをできるだけシンプルにするとともに, 並列的な演算が可能となるようモデル化を行なっている. またネットワーク上でのシミュレーションを行なうために, フローのOD構成の表現方法や, 合流・分流に対する取り扱い, 経路選択について考慮している. 2, 3の簡単なシミュレーション例を用いて, 交通流の動的な挙動の再現性について考察を行なった.