都市内の限定された地域を対象として, 対象地域内で観測される道路区間交通量と交差点での右左折直進交通比率から, 吸収マルコフ連鎖モデルを応用してOD交通量を推計する方法を考える. この方法では, 交差点での右左折直進比率などから吸収マルコフモデルのOD遷移確率を与えれば, 未知変量は発生交通量のみとなる. そこで, 近年, 組み合わせ最適化問題の解法として注目される遺伝的アルゴリズム (GA) を利用して未知である発生交通量を与える方法を提案する.
本研究では, 発生交通量のみを未知変量とする既存の推計法と比較することによって, この推計法の収束性を検討する. また, 東京駅周辺の主要交差点における実測データを利用して, その適用性の検討を行う.
抄録全体を表示