1997 年 1997 巻 572 号 p. 95-104
不浸透面積率を衛星リモートセンシングデータから推定し, この値を都市河川流域の流出解析に適用した. これにより, 洪水時の水位に対する各戸雨水貯留施設および公共雨水貯留施設の制御効果を検討した. この解析結果から, 洪水ピーク水位の増加率は流域全体の不浸透面積率の増大にともなって減少すること, また, 雨水貯留施設は, 洪水時の水位の低下によって浸水の発生を減少させる効果を持つが, 浸水後の水深の低下にはそれほど効果がないことなどが明らかになった.