抄録
本文は, 一様な流れの中に並列配置された正方形角柱を対象として, 有限要素法に基づく流れ解析を実施し, 計算により得られた空気力係数, 静圧分布, フローパターンなどを風洞実験結果と対比することにより, 数値シミュレーションの適用性とその問題点を検討したものである. その結果, レイノルズ数ReをRe=103, 104とした2次元解析ならびにRe=103とした3次元解析では, 風洞実験結果と相違して角柱間に巻込み渦を生じる結果が得られた. これに対し, レイノルズ数をRe=104とした3次元解析では, 風洞実験結果と同じく巻込み渦を生じない結果が得られ, 並列配置された正方形角柱問題に対する3次元解析の有用性とレイノルズ数依存性を明らかにすることができた.