抄録
地震後の応急復旧計画における山岳地輸送路の検討, あるいは余震や地震後の降雨による二次災害の防止対策の検討および詳細な被災調査計画の策定にあたっては, 広域の被災地域のどの地点で規模の大きな斜面崩壊が生じているのかを短時間で把握する必要がある. この研究では, 崩壊規模 (面積) とLANDSAT/TMデータとの関係, 崩壊面積と崩壊中心からの距離との関係, 崩壊形態と崩壊形状および地形条件との関係を用いて, 斜面崩壊形態および崩壊面積の推定を行う. この手法を兵庫県南部地震を直接の誘因とする六甲山系の斜面崩壊検出に適用したところ, 900m2以上の崩壊については崩壊面積がほぼ正確に得られ, 1800m2以上の崩壊については崩壊形態・崩壊面積ともにほぼ正確な検出が可能であった.