1998 年 1998 巻 598 号 p. 97-109
地震時において空間的な被害波及を最小限にとどめるためには, 連続的な広がりを持つ構造物群を一時的に分割することが重要であるが, これには緊急制御用の遮断装置を適切に配置しておくことが必要である. 本研究ではこれを大規模システムの最適分割問題と位置づけ, 確率論的手法による定式化と解法の提案を行ったものである. まず線状構造物にランダム発生する被害位置の確率密度関数に基づいて, 連続システムの期待連結長さの解析解を4種の形態について示し, 各特性を比較した. さらにこれらを任意形状に分割したシステムについて期待連結長さを求め, 最適分割問題を定式化した. その解法として動的計画法を応用した手法を提案し, 簡単な数値計算例を掲げて最適分割形状に関与する要因について考察した.