本研究では実用的な洪水流出モデルを構築することを目的として, 観測降雨を直接利用することができ, 流域の物理的な特性を考慮できる貯留型流出モデルを提案した. まず, 試験流域に損失量を考慮した不飽和浸透理論・タンクモデルを適用し, それぞれのモデルで計算される損失量, これを降雨毎に配分した損失雨量がエントロピー法も含めた3つの方法でそれぞれ良く一致することを示した. 次に, 損失量を考慮した不飽和浸透理論を理論・数値実験により貯留型モデルに集中化し, 数値実験及び試験流域の解析結果を用いてその適合性を示した.