土木学会論文集
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密集市街地の氾濫シミュレーションモデルの開発と洪水被害軽減対策の研究
福岡 捷二川島 幹雄横山 洋水口 雅教
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1998 年 1998 巻 600 号 p. 23-36

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抄録

破堤氾濫が発生しても壊滅的被害を回避し, 人命を守るための危機管理対策が近年強く求められている. この対策を立案するには密集市街地における高精度の氾濫シミュレーションモデルが必要となる. この際, 密集市街地では道路網と家屋の抵抗を精度良くモデル化する必要のあることが明らかにされている. 本モデルでは座標系に一般曲線座標系を採用し道路線形を適切に表し, 基礎式に流体力項を付加することにより家屋抵抗を考慮している. 家屋抵抗は異なる配列の家屋群について流体力計測実験を行いこれを説明できる流体力の式, すなわち家屋前後の水深を用いて表現している. この新しいシミュレーションモデルは実際の市街地を再現した氾濫模型実験の結果を良好に説明できるものである. 最後にこのモデルを適用して被害軽減対策の事例研究を行っている.

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