1999 年 1999 巻 612 号 p. 239-249
阪神大震災後の示方書の改訂をうけて, 既設鋼橋に対する落橋防止対策として鋼板を使用た従来の連結板にかわりスリットを有する連結板を利用することが提案されている. スリット型連結板の特徴はピンがスリットを通過することで地震エネルギを吸収し, 同時に示方書に規定されている移動量内でけたの大きな移動を防ぐことができることである. このため塑性変形することを前提とした強度や変形特性を考慮して設計することが求められる. 本研究では延性に富む低降伏点鋼を連結板に利用することも視野に入れながら数値解析によるパラメトリック解析により強度や変形量に対する設計式を提案する. また延性破壊に対する安全性を数値解析により検討することも試みる.