抄録
中空断面鉄筋コンクリート高橋脚を対象に, その耐震性能を把握する目的で, 実橋脚の配筋を比較的忠実に再現した縮尺1/10の縮小模型試験体を用いて交番繰り返し加力実験を行った. 試験体は15体で, 横拘束筋の配筋方法及び配筋量, 中間帯鉄筋の鉄筋径, 配置範囲, 橋脚下端の断面形状, せん断スパン比及びねじり加力の影響に着目した. その結果, 高橋脚を想定した中空断面鉄筋コンクリート橋脚部材では, 所定の横拘束筋を配筋することによって, 設計上見込まれるじん性を十分確保できることが明らかとなった. また, 横拘束筋の具体的な配筋方法等が部材のじん性に及ぼす影響についての知見をまとめ, 構造細目を提案した. さらに, 実験結果をもとに終局変位及び履歴減衰についての検討を行った.