土木学会論文集
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正負交番荷重が作用するRC部材のせん断強度低下機構の検討
渡辺 博志河野 広隆
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1999 年 1999 巻 613 号 p. 85-102

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抄録
本研究は, 正負交番荷重が作用するRC部材のせん断強度の低下メカニズムについて検討を行ったもので以下の結論を得た. 正負交番荷重が作用するRC部材は, 複雑な破壊状況を示すが, 変位成分を適切に分離することにより破壊形態を分類することができる. せん断破壊を生じる部材のせん断強度の低下は, 荷重の反転により生じた残留ひずみの影響で圧縮側コンクリートのせん断力の伝達が阻害されることにより生じるが, せん断補強鉄筋によりコアコンクリートが拘束されている状態ではコンクリートの負担するせん断力は0にはならない. せん断破壊を防止するには, せん断補強鉄筋に生じる平均引張応力が降伏点の80%程度以下に抑制すべきである.
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