1999 年 1999 巻 619 号 p. 177-192
本研究は, コンクリート部分充填および免震支承をもつ単柱式鋼製橋脚に対するパラメトリック解析を実施することにより, レベル2地震動に対する鋼製橋脚の安全性ならびに機能保持性の検討を土木学会・鋼構造新技術報告書 の考えに基づいて行ったものである. コンクリート無充填・非免震鋼製橋脚とコンクリート充填・非免震鋼製橋脚を1自由度系にモデル化, また, コンクリート無充填・免震鋼製橋脚とコンクリート充填・免震橋脚を2自由度系にモデル化して, 弾塑性地震応答解析を行い, 橋脚の最大変位損傷度 (最大応答変位と終局変位との比) ならびに残留変位損傷度 (残留変位と橋脚の高さ/100との比) を基に, 橋脚の耐震性能評価を行っている. 最後に, これらの結果を基に, 鋼製橋脚の耐震設計ガイドラインとして, コンクリート充填を行うべき, あるいは免震支承を使用すべき固有周期の範囲について提案をしている.