本研究は, 信号にインパルス性雑音とガウス性雑音が重畳して混入する場合, その雑音除去をウエブレット変換により処理しようとしたものである. インパルス性雑音に関しては, その雑音除去の原理は, ウエブレット変換における有限インパルス応答の逆処理に相当するものである. 逆有限インパルス応答を施す時刻の推定には, ウエブレット偶数 (奇数) 係数処理により行っている. 一方, ガウス性雑音の除去は, ウエブレットフーリエスペクトルに対するローパスフィルター処理により行う.
本方法における有効性は, 数値シミュレーションにより検討し, インパルス性雑音に関して有効なことを確認した. また, 雑音を含む地震記録に対して本方法を応用し, 比較的良い結果を得た.
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