抄録
本研究においては, 都市内集配トラックの最適配車配送計画および動的交通シミュレーションを統合したモデルを開発した. このモデルは, 都市内集配トラックの最適配送ルートおよび出発時刻を決定する運輸企業の行動を記述し, そのような行動によって, 道路ネットワークの交通状況にどのような影響を与えるかを推定することができる. このモデルを仮想道路ネットワークに適用した結果, 高度な配車配送計画あるいは輸送の共同化を導入することにより, 輸送に関わる総費用を減少させるとともに, 乗用車も含めた総走行時間を削減できることが明らかになった. したがって, このような方策は, 交通混雑の緩和や交通環境の改善にも貢献すると考えられる.