物質・エネルギーの生成・移動と変形・応力場に関する連成解析システム
1999 年 1999 巻 627 号 p. 13-25
詳細
1999 年 1999 巻 627 号 p. 13-25
本研究は, 若材齢コンクリートの組織形成過程と材料品質の変遷を逐次追跡する3次元有限要素法解析法と, 鉄筋コンクリート3次元有限要素構造解析法の双方向並行演算処理システムの開発を行ったものである. 時間と共に逐次変化する細孔組織, 強度, 水和, 温度, 含水量等の若材齢のコンクリート材料特性は, 物質・エネルギーの生成移動に関する熱力学モデルから算定される. これらの情報は, 即座に構造挙動解析プログラムに与えられる事により温度, 収縮体積変化等による部材各部の応力及び損傷状況が求められる. ここでひび割れに起因する材料の機械的な損傷の情報は, 熱物理を司るシステムに逐次還流されて, 物質移動解析に情報として提供される. 以上の双方向連成解析システムによって, RC構造の変形, 構造中の材料の機械的損傷及び材料の微細組織と品質を統合して評価できる事を事例を用いて示した.
