1999 年 1999 巻 631 号 p. 1-12
本研究はセメントで軟弱粘性土を安定処理する場合, 混合補助材として砕石粉を有効に利用できるかどうかの可能性を探ることを目的として行ったものである. その結果, 次のようなことが明らかとなった. 1) 対象粘性土の含水比の値にかかわらず, 一軸圧縮強度と配合含水比に対するセメント添加率の比は反比例の関係にある. 2) 配合含水比に対するセメント添加率の比から最適なセメントの添加量と砕石粉の混合量が決定できる. 3) 最適な砕石粉の混合率とセメント添加率は2つの実験式の直線の交点として, 図上から求めることができる. 4) 対象粘性土の含水比およびセメント添加率にかかわらず, 一軸圧縮強度は配合含水比の値35%前後でピークを示す. この値は粘性土の塑性限界値の約1.2倍程度の値にほぼ一致している.