抄録
非均質弾塑性体のためのマルチスケール解析について, 一般化収束論を用いた均質化法の定式化を示し, 新規の弾塑性マルチスケール解析アルゴリズムを提示する. 一般化変分原理に基づく弾塑性問題の基礎式から, Two-scale 収束論を用いてミクロおよびマクロスケールにおける支配方程式を導出し, マルチスケールモデリングの数理構造を明示する. ミクロ, マクロスケールのそれぞれの応答が整合した計算アルゴリズムを確立し, 漸近展開法に基づく定式化を増分表示したつり合い方程式に適用する従来のアプローチとの相違点を強調する. 開発したアルゴリズムを適用した数値解析例を示すとともに, 問題点と実用化への今後の指針を与える.