1999 年 1999 巻 635 号 p. 113-126
風洞付き二次元造波水槽を用いて強風下の沖合い海域で発生する飛沫量の実験を行った. 白波砕波上の飛沫の粒径分布から飛沫濃度を定量的に評価し, 水表面に作用する風応力との関係を明らかにした. 飛沫量は水面上の摩擦速度と飛沫の沈降速度に強く依存する. また, 画像解析結果から, 飛沫粒径および飛沫の沈降速度は高さの-1乗に比例して減少することが示された. 以上の検討結果に基づき, 高さ10mの平均風速と卓越波の波速と波高から, 白波砕波を伴う実海域における任意の高さでの飛湯濃度を評価できる半経験手法を提案している.