土木学会論文集
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アルカリシリカ反応により劣化した構造物の劣化度評価と細孔溶液分析による劣化進行の予測
鍵本 広之佐藤 道生川村 満紀
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2000 年 2000 巻 641 号 p. 241-251

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抄録
本研究は, アルカリシリカ反応 (以下,「ASR」) により劣化した実在の構造物を対象として, 環境条件の違いがASRの劣化程度に及ぼす影響を明らかにし, 構造物から採取したコンクリートコアを用いて実施した種々の試験にもとづいた将来の劣化進行予測手法を提案したものである. 凍結融解の繰り返しが増加しはじめた年を境にしてASR劣化が急激に進行しはじめたこと, 劣化程度は気温, 湿度あるいは外部から供給される水分などの環境条件によって影響を受けることが明らかとなった. またコアから抽出した細孔溶液中の水酸化アルカリの分析とNBRI法による膨張率測定結果を組合せることにより, ASR劣化した構造物の将来の劣化進行予測が可能であることを示した.
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