抄録
アスファルト舗装の修繕工法の一つに, 既設アスファルト舗装上に薄層コンクリートオーバーレイを行う方法がある. わが国では約20年前に各種の取組みがなされたものの, この段階では一般的工法として普及するには至らなかった. その原因の一つに, 舗装設計手法として確立されなかったことが挙げられる.
本研究では, まず弾性基礎上の梁の理論を拡張した舗装版応力解析手法について検討する. 次に, 薄層コンクリート層と既設アスファルト舗装層との界面の付着性を考慮した複合体の構造モデルについて検討する. そして, この研究結果を組合せて薄層コンクリートオーバーレイ工法の設計法としての可能性を検証する. そして, 実際に各種条件で試験舗装を行った結果, 理論と実測値との整合性も確認した.