抄録
スランプフロー試験における高流動コンクリートの流動挙動を数値流体解析によってシミュレートすることの妥当性とその限界を, 高流動モルタルを用いた実験値との比較を通して考察し, (1) 変形速度の大きい高流動コンクリートを対象とする場合には, スランプコーンが引き上げられる途上でのスランプコーン側壁の影響をモデル化する必要があること, (2) 塑性粘度と降伏値との比が1.0sec. 以上の場合には, 解析値はフロー半径と到達時間との関係を実験値と比較して高い精度 (±20%) でシミュレートしていることを明らかにしている. そして, 数値流体解析を通して, 降伏値と塑性粘度がフロー半径到達時間に与える影響, さらに, スランプフロー試験から高流動コンクリートのレオロジー定数を評価する方法が示されている.