2000 年 2000 巻 651 号 p. 1-10
1999年にコンクリート構造物の耐久性問題がクローズアップされたが, この問題の原因のひとつとして, 建設時の検査方法のあり方についても疑問が呈されている. 一方, コンクリート標準示方書をはじめとする規準類の性能規定化が検討され, ここでも新たな検査体系の構築の必要性が議論されている. 本論文では, このような規準類の性能規定化の動きと品質管理・検査体系の見直しが活発化する中で生じている様々な混乱と, それらを招いている問題点の整理を行い, 次に規準類の性能規定化の中でどのような品質管理・検査体系を構築して行ったらよいかについての考察を行い, さらにコンクリート構造物の品質保証や品質管理・検査を合理的に行うための技術開発の方向について検討を行った.