抄録
薬液注入材の耐久性に関して, ゲル化した注入材の物理・化学的安定性と注入固結砂の長期砂強度の予測法を検討した. 物理・化学的安定性としては, ゲル化した注入材の体積変化と溶脱シリカを長期的に調査した. その結果, 体積変化と溶脱シリカは, 一定期間の経過で, ほぼ停止した. また, 溶脱したシリカは未反応シリカで, 化学的な分解によるシリカはないものと推測でき, 少なくとも4500日間 (12年) は化学的に安定していることがわかった. 耐久性に関連したもう一つの研究として, 長期強度の予測法についても検討を行った. その結果, 外挿法による予測と, 同形アレニュウスプロットによる予測, 2通りの方法で予測が可能であった.