2000 年 2000 巻 665 号 p. 31-44
コンクリート構造物における非破壊試験は, 現在各関係機関で研究・開発が進められているものの, 歴史が浅いこともあり, 明確な評価基準が確立されないまま損傷状況の把握や品質管理に用いられているのが現状である. そこで, 本文では踏掛版下およびトンネル覆工背面の空隙調査手法として, 簡便に調査が行える衝撃弾性波あるいは超音波を用いた非破壊試験に着目し, 供試体を対象に実施した試験結果から空隙調査への適用が可能であることを確認した. さらに, 実構造物を対象にこれらの手法を適用し, 実測データを分析・評価することにより, 周波数の大きさや卓越周波数あるいは波形の相違から空隙調査に対してこれらの手法が適用可能であることを明らかにした.