2001 年 2001 巻 667 号 p. 59-71
本研究は, 高速道路と一般街路が並行して走る簡単なネットワークを対象として, 動的システム最適配分 (DSO) とランプ流入制御について考察し, 理論的な基礎を整理することを目的とする. まず, DSOにおいて重要な役割を担う動的マージナルコストを定義し, それと関連づけながらDSOの解について検討する. 次に, DSOの検討結果に基づいて, ランプ流入制御の基本戦略について考察する. ランプ流入制御は, ネットワークの一部であるランプ部の容量を減少させる制御であるので, 一般街路も含めた総費用が, 本当に減少させられるのか明確な答えは得られていない. 分析の結果, ランプ流入制御が有効に機能する条件と, ランプ流入制御の基本戦略を明らかにすることができた.