抄録
コンクリートポンプ圧送時の管内脈動の抑制には, 脈動による波形状の変動に対してこれを打ち消すための逆位相を有する脈動 (補流) を外部より加えて両脈動流を重ね合わせることで可能となる. この考え方に基づき管内脈動流を適切に制御することを目的として, 実機コンクリートポンプを模擬した小型ポンプ圧送装置を用い, 管内流速に着目し, 実験的に検討した. 外部より加える脈動流の波形および吐出量は, 質量保存に基づき容易に決定できること, 2つの脈動流の合流により懸念されるコンクリートの材料分離は, 適切な引込み速度および合流角度を与えることで最小限に抑えられることを明らかにした.