2001 年 2001 巻 682 号 p. 81-100
現在の橋の免震設計では, 上部構造の応答変位が大きくなり過ぎないように, 免震橋の固有周期は免震支承を用いない場合の固有周期の2倍程度に抑えられている. このため, 免震橋の固有周期と地震動の卓越周期を十分に分離することができない場合があり, この場合には免震支承のみならず橋脚にも塑性化が生じ得る. 免震支承と橋脚がともに塑性化する場合の免震橋の耐震性能については解析的・実験的に従来ほとんど検討されていないのが実状であり, 早急な検討が求められている. ここでは, 降伏耐力の異なる2タイプのRC橋脚に対して高減衰積層ゴム支承を設置し, 繰り返し載荷実験によって免震支承と橋脚がともに塑性化する場合の免震橋の耐震性能について検討した.