土木学会論文集
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琵琶湖疏水におけるラン藻類とその含有毒素ミクロシスチンの挙動
山下 尚之松井 三郎清水 芳久松田 知成
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2001 年 2001 巻 685 号 p. 69-77

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抄録
琵琶湖疏水は, 琵琶湖から京都市にかけて人工的に作られた水路で, その水は京都市の重要な水道水源として利用されている. 一方, 近年琵琶湖においても夏期にアオコの発生が観察されており, 琵琶湖水からは, アオコに含有される毒素ミクロシスチンの検出が報告されている. そこで, 本研究ではアオコの発生時期に琵琶湖疏水において調査を行い, 琵琶湖疏水におけるラン藻類とその含有毒素ミクロシスチンの挙動について検討を行った. その結果, 琵琶湖疏水の水からミクロシスチンが検出され, その濃度は300pg/mlから680pg/mlの間で変化した. また, ミクロシスチン濃度は, クロロフィルa, フィコシアニン濃度との間に相関関係が見られた. 琵琶湖疏水の水からミクロシスチンが検出されたことから, アオコ発生時期にはミクロシスチンの挙動に十分注意する必要があると考えられた.
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