土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
2001 巻, 685 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • 土木学会環境システム委員会 自己評価小委員会 , 二渡 了
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 1-15
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
  • 高岡 昌輝, 廣田 淳一, 武田 信生, 藤原 健史
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 17-26
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    前凝集沈殿汚泥の嫌気性消化特性を把握するために, 無機凝集剤として塩化第二鉄, 硫酸バンド, ポリ塩化アルミニウムをそれぞれ用いて作成した前凝集沈殿汚泥と凝集剤を添加しない初沈汚泥, 初沈汚泥と余剰汚泥との混合汚泥の3種類の汚泥についてバッチ式の嫌気性消化実験を行った. 凝集剤として塩化第二鉄を用いて作成した前凝集沈殿汚泥は消化に対する阻害がなく, むしろ凝集剤を添加していない初沈汚泥の場合よりも, SS減少率, 有機酸やメタンガスの回収という観点から有利であった. アルミニウムを含む凝集剤によって作成された前凝集沈殿汚泥は, SS減少率が低下し, 有機酸およびメタンガスの生成に阻害が見られた.
  • 羽柴 秀樹, 亀田 和昭, 田中 總太郎, 杉村 俊郎
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 27-39
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都市域の小規模な植生の詳細な分布を明らかにすることは, 都市の環境評価を行なうために重要な要素である. 最近観測が開始された高分解能衛星観測データ (IKONOSデータ) を利用し, 都市域の小規模な植生分布の抽出可能性を検討した. 抽出結果の評価のために詳細なグランドトゥルースを行ない, 画像情報と現地の対応を検討した. 検討の結果, 占有面積が約2m2以上のスケールの植生が判読可能であることが検証された. また, IKONOSデータにおける正規化植生指標値 (NDVIi) の提案を行ない, 植生域の抽出可能性について検討した結果, 植生の分布形状によっては, 約1m2以上の占有面積をもつ植生分布の抽出が可能であり, 都市域における詳細な植生分布図作成の可能性が検証できた.
  • 城田 久岳, 康 穎, 浮田 正夫, 関根 雅彦
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 41-47
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    ごみ収集のエネルギー消費量をより詳細に評価するために, 収集車の重量を考慮して解析を行った. 運輸統計等を用いた解析から燃料消費率 (Y) を, 車重量 (X) を説明変数とする指数式 (Y=a・Xb) で表した. 燃料消費指数 (b) は貨物輸送の場合0.52となった. この指数値と燃料消費調査データを用い, 収集行程を (1) 往路 (2) ステーションでの収集 (3) 復路の3行程に分けた解析から, 往復の単純走行と, 停車, 積み込み, パッキング, 発進を頻繁に繰り返す走行に対応する燃料消費係数 (a1, a2) が求められた. これらの値を用いて, ごみの種類別のより正確な燃料消費量の推定が可能となった. 収集時間に関する調査結果から, 収集量あたりの所要時間で地域別に収集効率を比較したところ, 郊外は市街地より約1.4倍劣っていた.
  • 秋永 薫児, 柏谷 衛
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 49-68
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究は, 比較的人口密度の低い地区での汚水収集面整備計画を策定する際の汚水収集システムの選定と計画に当って, 経済的効果のみならず環境への影響, 特に地球温暖化の抑制を加えた評価方法を提案するため行ったものである. 面整備では, 自然流下システムのほか, 圧力及び真空システムの各2種類を代替案として選び, 地区面積20haの平坦地で人口密度5, 20, 50, 70人/haについてケーススタディを行った. 経済効果の検討はライフサイクルコスト (LCC), 環境への影響の検討はライフサイクル発生二酸化炭素 (LC-CO2) にて算出し, それぞれ評価するとともに, これらを合せ評価する統合評価指標 (単位は103円/人・年) を提案した.
  • 山下 尚之, 松井 三郎, 清水 芳久, 松田 知成
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 69-77
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    琵琶湖疏水は, 琵琶湖から京都市にかけて人工的に作られた水路で, その水は京都市の重要な水道水源として利用されている. 一方, 近年琵琶湖においても夏期にアオコの発生が観察されており, 琵琶湖水からは, アオコに含有される毒素ミクロシスチンの検出が報告されている. そこで, 本研究ではアオコの発生時期に琵琶湖疏水において調査を行い, 琵琶湖疏水におけるラン藻類とその含有毒素ミクロシスチンの挙動について検討を行った. その結果, 琵琶湖疏水の水からミクロシスチンが検出され, その濃度は300pg/mlから680pg/mlの間で変化した. また, ミクロシスチン濃度は, クロロフィルa, フィコシアニン濃度との間に相関関係が見られた. 琵琶湖疏水の水からミクロシスチンが検出されたことから, アオコ発生時期にはミクロシスチンの挙動に十分注意する必要があると考えられた.
  • 高岡 昌輝, 蔵本 康宏, 武田 信生, 藤原 健史
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 79-90
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    飛灰中の亜鉛, 鉛, 銅, カドミウムの化学形態を推定するために, 逐次抽出法を用いて, 各重金属元素を水溶性画分, イオン交換態, 炭酸態, 酸化物態, 有機物態, 残留物態の6つの形態に分画した. さらに, 試薬についても同様の方法で形態を6分画することにより得たデータから, 飛灰中の重金属の支配的な化合形態を推定した. 亜鉛は, 酸化亜鉛および単体の形態, 鉛は酸化第二鉛, 銅は水酸化銅および酸化銅, 単体, カドミウムはバグフィルタ灰では水酸化カドミウムおよび酸化カドミウム, 電気集じん器灰で消石灰噴霧がなされていない場合は, 水溶性の硫酸カドミウムや塩化カドミウムの形態で存在することが示唆された.
  • 高岡 昌輝, 中森 研一, 武田 信生, 藤原 健史
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 91-102
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    都市ごみ焼却炉内における塩素化芳香族化合物の化学的生成抑制を目的とし, 飛灰に硫化ナトリウムを添加することで, 加熱時に生成されるポリ塩化ビフェニルおよびクロロベンゼン類量の削減を実験により試みた. 硫化ナトリウムを飛灰に対し5%混合し, 塩化水素を500ppm混合した空気雰囲気で300℃に加熱した時, 硫化ナトリウム無添加時に比ベクロロベンゼン類は49%に, ポリ塩化ビフェニル類は22%に生成が抑制された. 加熱前と加熱後の飛灰中の銅の化学形態を調べると, 銅は硫化物になっていることが推定され, 硫化ナトリウムは重金属の不溶化に対しても効力があることが示された. これらの結果より, 硫化ナトリウによる生成抑制機構は主に銅触媒の失活であると推定された.
  • 福原 輝幸, 谷本 智, 渡邊 洋, 大木 政弘
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 103-113
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    掘削杭熱交換システム (BHES) の長期的な季節利用および経済性の観点から, 設計に不可欠な因子 (杭長, 循環流量, 循環方式) が採・放熱効率に及ぼす影響およびBHESの季節蓄熱効果を数値実験により明らかにした. その結果, (1) 採・放熱量E(MJ) は杭長L(m) の2次関数としてE=a2L2+b2L(0≦L≦200) (採熱時: a2=-0.44, b2=316, 放熱時: a2=-0.43, b2=355) で表され, 両者は正の相関を持つが, 単位長さ当りの採・放熱量は杭長の増加とともに減少する, (2) 採・放熱量Eと循環流量Q(l/min) の関係はE=mQn (採熱時: m=9.87×103, n=0.27, 放熱時: m=1.26×104, n=0.24) と近似でき, 単位流量当りの採・放熱量は流量の増加とともに急減する, (3) 10年間のBHESの採・放熱計算より, 一本の熱交換杭では夏期の余剰温熱の地盤への放熱による冬期の採熱量の増加は10年で3%となる, ことが判った.
  • 田中 恒夫, 尾崎 益雄, 黒田 正和
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 115-122
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    活性汚泥プロセスの窒素除去能の向上を目的として, フェルト状炭素質担体を反応槽に浸漬することを提案し, その特性について実験的に検討した. フェルト状炭素質担体を連続曝気活性汚泥反応槽に浸漬することにより, 硝化速度および脱窒速度は増大した. 硝化速度の増大は, 担体の浸漬により反応槽内に存在する硝化細菌の数が増加したためと考えられた. また, 脱窒反応は主に担体内部の嫌気的部分で進行したと考えられた. 担体の比表面積を0~0.44cm2/cm3の範囲で変化させたが, 比表面積が0.36cm2/cm3の時に, 有機物および窒素の除去は安定した. 充填率0.44cm2/cm3でCOD除去効率が低下したのは, 担体充填によるMLSS濃度の低下の影響と考えられた. 間欠曝気と組み合わせることにより, 窒素除去効率はさらに高くなった.
  • 肱岡 靖明, 古米 弘明
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 123-133
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    分流式下水道排水区において連続降雨を対象としたノンポイント汚染源負荷の流出調査を行い, 分布型モデルによる汚濁負荷流出解析における地表面堆積負荷流出モデルの検討を行った. まず, Sartor らの提案したモデルを適用して, 屋根と道路を一括して不浸透面として捉えた解析を行ったところ, SS負荷流出の急激な変化を再現できなかった. そこで, 屋根と道路の堆積負荷は異なる流出パターンを示すと推定しそれぞれの雨水流出量を考慮して, さらに道路からの汚濁負荷流出の遅れを表すために, 限界掃流量の概念を追加した改良モデルによる検討を行った. この結果, 総降雨量が1.4~11.3mmと異なる3つの降雨において, ファーストフラッシュ現象を含むSS負荷流出量の時間的変化を適切に表すことができることを示し, ノンポイント汚染源負荷の流出解析における地表面堆積負荷流出特性の重要性を明らかにした.
  • 島田 幸司, 溝口 真吾, 松岡 譲
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 135-146
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    筆者らは, 地球温暖化対策による大気汚染物質の排出削減量を推計する副次的効果推計モデル (ALICE) を開発し, このモデルをある地方公共団体に適用した. その結果, 対策を講じることにより, 2010年で参照ケースより最大で23%の二酸化炭素 (CO2) 排出量が削減され, 副次的に窒素酸化物 (NOX) および粒子状物質 (PM) の排出量が11~12%削減されること, 鉄鋼業の自主行動計画やハイブリッド自動車の導入などが, CO2, NOXに対する顕著な排出削減効果を有すること, 交通部門においては温暖化対策を強化してCO2排出量を削減しても, PMでは同様の排出削減効果が得られないこと, などが明らかになった.
  • 日高 平, 津野 洋, 岸本 直之, 中本 正明
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 147-156
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    本研究では, 地域の水循環システムを支えるためのコンパクトで維持管理の容易な処理システムとして, 前凝集・生物膜ろ過システムの開発を試みた. 実下水を用いたパイロヅトプラントの約1年間におよぶ連続運転の結果, ろ床部の水理学的滞留時間2.0hで, SS濃度は3mg/L程度, T-ATU-BOD濃度は10mg/L以下, リン濃度は0.2mgP/L程度の処理水が安定して得られた. 有機物不足により脱窒は不完全とはなるが, 処理水の窒素濃度は13mgN/L程度に維持され, また凝集剤無添加時には10mgN/L以下を達成した. 低水温期でも, 0.5kgN/(m3・d) 程度の潜在的脱窒速度, および0.3kgN/(m3・d) 程度の潜在的硝化速度が得られ, 安定した脱窒・硝化能力が示された. 逆洗を含めた自動運転により, 維持管理の面からもその有用性が示された.
  • 落合 志穂, 宮北 敦子, 川上 智規
    2001 年 2001 巻 685 号 p. 157-164
    発行日: 2001/08/22
    公開日: 2010/08/24
    ジャーナル フリー
    電位差滴定法の一種である Gran's plot 法は, 陸水のANC (Acid Neutralizing Capacity) を測定する手法として欧米では広く用いられているが, 日本ではこれまでのところほとんど利用されていない. 本報告では陸水のANCを精度良く測定する手法として Gran's plot 法を適用し, その結果をJIS-K0101, 自動滴定装置による方法, イオンバランス法と比較検討した. Gran's plot 法はDOCが3mg/l以上の腐植栄養湖などの試料において誤差を生じる可能性がある反面, 自動滴定装置やビュレットを必要としないうえ, ANCの大小にかかわらず一種類の濃度の酸を用意するだけで測定が可能であることから, 現場でも容易にANCを精度良く測定できるメリットがある. また, 試料の量は10ml程度でも十分測定可能であった.
feedback
Top