土木学会論文集
Online ISSN : 1882-7187
Print ISSN : 0289-7806
ISSN-L : 0289-7806
硫化ナトリウム添加による飛灰上の塩素化芳香族化合物の生成抑制に関する実験的研究
高岡 昌輝中森 研一武田 信生藤原 健史
著者情報
ジャーナル フリー

2001 年 2001 巻 685 号 p. 91-102

詳細
抄録
都市ごみ焼却炉内における塩素化芳香族化合物の化学的生成抑制を目的とし, 飛灰に硫化ナトリウムを添加することで, 加熱時に生成されるポリ塩化ビフェニルおよびクロロベンゼン類量の削減を実験により試みた. 硫化ナトリウムを飛灰に対し5%混合し, 塩化水素を500ppm混合した空気雰囲気で300℃に加熱した時, 硫化ナトリウム無添加時に比ベクロロベンゼン類は49%に, ポリ塩化ビフェニル類は22%に生成が抑制された. 加熱前と加熱後の飛灰中の銅の化学形態を調べると, 銅は硫化物になっていることが推定され, 硫化ナトリウムは重金属の不溶化に対しても効力があることが示された. これらの結果より, 硫化ナトリウによる生成抑制機構は主に銅触媒の失活であると推定された.
著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top