2001 年 2001 巻 690 号 p. 95-107
ASR補修を行う場合には, コンクリート内部の水分逸散が可能なシラン系表面処理が期待されている. しかし, 補修時のコンクリートの含水状態がシラン処理の補修効果に与える影響については, 十分に明らかにされていないのが現状である. また, 補修効果については供試体レベルの検討が多く, 実構造物におけるコンクリート内部の水分移動を考慮した検討は十分に行われていない. そこで, 補修時の含水状態がシラン処理の補修効果に与える影響を検討するとともに, 実構造物を模擬した供試体中の水分分布および膨張挙動からシラン系表面処理による補修効果を把握し, ASR補修における適切な補修工法を検討することとした.